次世代育成支援対策推進法の概要と問題点

                            

1.はじめに

 今国会では、1.次世代育成対策推進法 

2.児童福祉法の一部改正(以上612日成立)

3.少子化社会対策基本法(724日成立)

と子どもや子育てに関する法律が、3本も成立(児福法の一部改正を含)しました。それだけ、少子化と子どもの問題は大きな社会問題となっていることの現れです。

 地域でも、今後これらの法律とりわけ「次世代育成支援対策推進法」を受け、包括的な「地域行動計画」の策定が進められます。

 このような動きや地域に渦巻く声を、私たち自治体労働者が追い風として活用し、自治体の実施責任に基づく「行動計画」を策定させることが、今後の自治体のあり方にも係わる大きな問題です。

 

2.次世代育成支援対策推進法の概要

次世代育成支援対策推進法は、

 1)05年の4月から10年間(2015年度まで)の時限立法。

 2)「急速な少子化の進行等」に対し、「基本理念」、「関係者の責務」、国の「行動計画策定指針」ならびに地方公共団体ち事業主(従業員300人超は義務、未満は努力義務)に対し「行動計画の策定」を定め、次世代育成支援策を「迅速かつ重点的に推進」することを目的にしています。

 3)都道府県・市町村の計画は、5年を1期として@地域における子育て支援 A親子の健康の確保 B教育環境の整備 C子育て家庭に適した居住環境の確保 D仕事と家庭の両立などについて具体的な目標と目標達成のための措置を盛り込むこととしています。

 4)「事業者」は、従業員の「仕事と家庭の両立」に関し、国の指針に基づき計画を策定、届け出るとされています。

 また、法案と連動した政府の「次世代育成に関する当面の方針」では、従来の「子育てと仕事の両立支援」に加え、「男性を含めた働き方の見直し」「地域における子育て支援」「社会保障における次世代支援」「子どもの社会性の向上や自立の促進」の4つの柱に沿って対策を強めるとしています。

 04年度は、地方自治体等の実施計画づくりを進めると同時に、@児童手当制度の支給対象年齢の見直しA育児休業制度等の見直しB多様な生き方を実現するための条件整備について法整備を進めるとしています。

推進方向として自治体の役割を「調整役」とし、企業や民間を中心に進めることや、保育事業について企業参入や公立保育所の民営化を誘導する内容となっています。

2.これまでの方針から

1)児童福祉法の一部改定で@「子育て支援」を位置づけながら、国・自治体の実施責任を曖昧にし、費用支弁も不明確です。A公立保育所の民間委託促進や認証保育所、保育ママなどの事業も待機児童解消の一方策として位置づけています。

2)次世代育成支援対策推進法案(10年間の時限立法)で自治体に子育て支援を義務化します。国は、12月までに指針を提示し04年度には自治体で計画を策定、05年度の実施という運びです。子育て支援は必要ですが、国の財政的裏付けはなく、「助言・相談を委託することができる」というように国・自治体の実施責任があいまいで、子育て支援を企業や民間主導で進めようとするものです。